皮膚科医いわし

英国在住の皮膚科医のブログです。美容/旅行/料理メイン

イギリスの冬のセール 〜ブラックフライデーとボクシングデー

イギリスのお買い物セール

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みんな大好きセール!

なんでも、イギリスでは夏のセール(6月下旬〜7月上旬)冬のセール(早くは11月後半から、大抵は12月下旬〜1月中旬)というものがあるらしいです。特に市場が大きいのがこの冬のセールで、ボクシングデーとブラックフライデーを皮切りに年末商戦が始まるそうです。

⬇️ブラックフライデーの広告

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お気に入りの紅茶メーカーにブラックフライデーの広告が❗️❗️

慌てて駆け込もうとするものの...ちょっと待った

 

www.whittard.co.uk

(公式HPより引用)

わたし自身イギリスのセール情報に疎くて、今年のブラックフライデー当日(2020年11月27日金曜)にこんなことを書いている始末なのですが、セールに便乗して慌ててオンラインショッピングをしようと思った時に『ちょっと待てよ』と思ったので記事にしてみました。

なんでかというと、ブラックフライデー当日にネットでHarrodsやLiberty(ハロッズ、リバティ、いずれもロンドンの老舗百貨店)を調べたのですが、特に値引きされてないんですよね。。。😳

逆にイギリスの食器メーカーを見ると、Wedgwood(ウェッジウッド)やEmma Bridgewater(エマ・ブリッジウォーター)はガッツリ値引きされているのを見つけました。しかし、こちらも同じくイギリスの老舗メーカーのBurleigh(バーレイ)はセール情報なし。

メーカーによって対応が違うのが気になり調べてみると、イギリスにはさらにボクシングデーというものが控えていることを知りました🇬🇧

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イギリスのクリスマスはアドベントカレンダーにハンパー

とにかく物欲に支配されます

ただでさえ誘惑がいっぱいで金欠に陥りがちなこの時期。

ブラックフライデーとボクシングデー、結局どっちで買い物した方がお得なのか調べてみることにしました。

 

 

ブラックフライデーとは

こちらはアメリカ発祥の、感謝祭の翌日(11月第4週の金曜日)より開催される、感謝祭のプレゼントで売れ残ったものを大量にさばくためのセールだそうです。アメリカでは感謝祭翌日の金曜日は休暇日になることが多く、実質この週は4連休となります。(調べたところ公式のお休みではないようですが、堂々と国民の祝日として市民権を得ている模様)

 

連休のビックセールということもあり、アメリカ国内のメーカーではこの日を最も売り上げが見込める日と期待する企業が多いそう。そのまま年末年始のセールにだらっとつづくパターンもあります。

日本ではこのブラックフライデーの方がボクシングデーよりも浸透している気がするのですが、それにはやはりAmazonの功績が大きいのではないでしょうか。そういえばあそこも米企業ですもんね🇺🇸

 

 

ボクシングデーとは

一方でこちらはイギリスが発祥の年末商戦の幕開けセールです。ボクシングデーって人によっては初めて聞くのではないかと思います。

クリスマス翌日あたりから、お店によっては1月の中旬までつづくセールの一環で、もともとは教会がクリスマスプレゼントを貧しい人に向けて寄付で募ったのが始まりだとか。こう聞くとなんだかとってもイギリスらしいオリジンです🇬🇧

 

イギリス発祥というだけあって、そのほかではカナダ、オーストラリアなどで行われていて、あまり日本では馴染みがないのも納得です。

ちなみにイギリスではここが一大お買い物期間になるので、ブランドが集結している大きなアウトレット、Bicester Village(ビスター・ビレッジ)にもすごい量のお客さんが押し寄せるとか。(ロンドンから比較的アクセスが良く免税店が充実しているので、日本をはじめ国外からの観光客もたくさん来ます)

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Bicester Village(ビスター・ビレッジ)

 

 

結局どっちがお得?

色々遡って調べてみたのですが、結論としてはボクシングデーの方が値引き率が大きい商品が並ぶ確率が高いようです。

が、イマイチここで断言できないのは、店によってかなり大きなバラツキがあるからです。

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各ブランド独自の戦略をとる

昔はボクシングデーの方が圧倒的に市場が大きく、値引率も大きかったそうです。しかし、アメリカのブラックフライデーに国内の買い物客をとられることを嫌ったカナダなんかの企業が、真似っこしてブラックフライデーを始めたようなんですね。ブラックフライデーの方が開催時期が早いですから、セールと聞くと飛びつくのが心情😍笑

あれよあれよという間に人気になって、イギリスでもいつしかボクシングデーを取って食う勢いになったとか。ちなみに英BBCニュースによると2019年のボクシングデーは悪天候も相まって今までで最悪の落ち込み具合になってしまったとか。

なので、『うーん、じゃあブラックフライデーで買った方がいいのかな?』と思ったのですが、実際はそう一本筋でもなく。

 

やはり伝統を重んじるイギリス国内のメーカーも多く、ロンドンのHarrodsやLibertyなどの老舗百貨店はブラックフライデーでのセールは行わず、年末はボクシングデーからセールをするそうです。

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Libertyのセール情報

やはり開催はボクシングデーあたりから

www.libertylondon.com

(公式HPより引用)

まあこういうパターンは迷わないですけれど、一方でどちらのセールもやる❗️というメーカーのものは特に判断が難しいところです。実際にそういうメーカーはその時々によってどちらの方がお得か変わるみたいです。特に昨今のブラックフライデー特需の増加で、そのようなメーカーが増えてきて悩ましいです😩

なので私自身も今回すごく迷いましたが、どうしても欲しいメーカーがブラックフライデーのセールをしていた場合には、そこでお買い物しちゃうことに決めました。

 

例えば、わたしの場合はイギリスの食器メーカーがお目当てなのでその辺りをさらっていましたが、ブラックフライデーのセール期間中にボチボチ売り切れが出て来ていたんですよね...。もしかしたらボクシングデーまでに在庫が補充される可能性もあるのですが、数に限りがありそうな商品の場合には先に買っちゃった方がいい気がしました。値引率を気にして結局買えないのは本末転倒ですからね...😫 

こういう消費者心理を含めて、イギリスにおいてもブラックフライデーにセールを入れてくるのは上手い戦法だと思います....実際私なんかはまんまと乗せられています笑 

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紅茶のWhittardのHP

逆に紅茶なんかは在庫が多そうなので今回はパスで

www.whittard.co.uk

(公式HPより引用)

逆に在庫が多そうな紅茶や食品メーカーなどはボクシングデーまで購入を見送ることにしました。これが吉と出るか凶と出るか。

行方が気になる方もいるかもしれないので、もしチェックできたらまた記事にしたいと思います。

 

 

このセール、ある意味イギリスの小売業の縮図なのかも

しかしこのイギリスのセール商戦、なんだかよく考えると複雑ですよね。

先に述べたように、早くにセールを行っているメーカーに消費者が飛びつくパターンって多いように思います。(実際日本でも初売りの開始が正月まで早くなって問題になりましたよね。やっぱりどの国でも早くにセールをした店が儲かるってことです...🇯🇵)

特にブラックフライデーとボクシングデーは開催期間も絶妙に近いですし、消費者自身の焦りが購買力を上回って、ブラックフライデーにボクシングデーの客をとられるのはもはや自然の摂理

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ロンドンの老舗百貨店Liberty

しかし伝統を重んじてか、今のところイギリスの老舗百貨店はブラックフライデーには便乗しないようです。ただ、ボクシングデーの始まる頃にはイギリス国内の購買力は弱まっているはずですし、結果として老舗デパートを苦しめることになるような。(ここでもAmazonに客を取られる)

わたしの大好きな食器メーカーにしても、WedgwoodとEmma Bridgewaterの対極にあったのはBurleighで、やっぱりブラックフライデーのセールはしていませんでした。確かに先の二つのメーカーは何事にも乗っかって上手くやっているイメージがあります。

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Wedgwoodのブラックフライデーセールは25%引き

 

https://www.wedgwood.com/en-gb

(公式HPより引用)

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Emmaも早い段階から値引きとキャンペーン

(1/2パイントサイズのマグをプレゼント)をやっています

 

www.emmabridgewater.co.uk

 (公式HPより引用)

このようなことと合わせても、これがある意味新しいものに淘汰されつつあるイギリスの小売業の縮図にならないことを願っています....。やっぱり美味しいものには乗っかっちゃうのが吉な気がするんですけど、どうなんでしょうね。

わたし個人の知識はあくまでビジターレベルなので、各イギリス企業のブランドの思惑や歴史について詳しいわけではないので、間違った情報があった場合には順次修正していく予定です。

しかしなんだか個人的に、今回のこの年末商戦からはちょっと考えさせられるものがありました。