皮膚科医いわし

英国在住の皮膚科医のブログです。美容/旅行/料理メイン

アーティチョークの調理法、効果

アーティチョークとは

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花弁をとったアーティチョーク

もともとは地中海原産地の野菜で、アザミの仲間です。あのトゲトゲのヤツ。

イタリアやフランスなんかでは一般的に食べられ、スーパーでも普通に売っているようです。

しかし私が今住んでいるイギリスではファーマーズマーケット(牧場経営の食材店)や輸入物を多く扱うお店でしか売っていないよう🇬🇧

日本でも、瓶に入っているオリーブ漬けやマリネされたものが売っていますよね。日本で栽培することもできるので、たまーに生のものも出回っているとか🇯🇵

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これは茹でたもの

この画像を見ただけで『これはアーティチョーク!』と分かったあなたはかなりのアーティチョークマニア笑

今回イギリスの八百屋さんで手に入れることができたので調理してみました😋

 

 

処理の構造・処理の仕方

とりあえず素揚げしてみた

まず、すごく小さいものだったのですが、食べ方がよく分からないのでとりあえず素揚げにしてみました。

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これはこれでオシャレ

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外側は硬いのでむしっていきます

で、このむしったもの(ガク)の付け根の部分が白くなっているんですね。どうやらフランスなんかではこの部分を口に含んで、歯でこそぎとるようにして食べるようです。

さらに剥いていくと、今度は花びらが出てきます。薄くてメタリックな色で、なんだかこれはこれで素敵です。

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さらに剥いていくとこんな感じ

ちなみにここまで進んでいくと、付け根の白い部分は全くなくなってくるので、食べられるところもなくひたすらむしっていくのみです。

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さらに花弁をむしっていく

で、次にふわふわの繊維質の部分が出てきます。これが花糸(おしべとめしべ)です。この部分は食べられないので包丁やバターナイフなんかでカットしてしまいます。

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上は切っちゃいます

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ようやく食べられるところに

ここがハート(花托)と呼ばれる、アーティチョークの一番可食部位の大きいところです。小さい笑

 

 

ネットで調べた正しい処理の仕方

ちゃんとした食べ方なのですが、扱ったことがない人も多いと思うので、わたしが調べた範囲でのやり方を書いておきます。

まずは外側を剥いていくのですが、先ほど書いた通り、ガク→花びら→花糸(めしべおしべ)→花托(ハート)の順で出てきます。

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ちなみに新鮮なものは生のままサラダで食べられるそう

アーティチョークは基本、花托(=ハート、蕾のもとの部分)しかしっかり食べることができないので、そこにたどり着くまでに外側の余計な部分をひたすらむしっていくことになります。聞いた話によると食べられる部分は全体の4分の1しかないとか😳

コスパ悪いんですね。。。

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ひたすら剥いていきます

一番の外側はガクの部分ですが、トゲトゲしていてかなり痛いのと、アクで手が汚れるので手袋をするのがおすすめ。

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綺麗な花びら

花弁をむしっていくと、中に花糸(めしべとおしべ)が入っている部分に届きます。

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花糸は包丁で切り落とす

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中心部は花糸がそこの方まで詰まっている

中心の部分は下の方まで花糸が詰まっているのでスプーンでくり抜きます。そして残った部分がハートと呼ばれる美味しい部分です😋

 

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硬いガクの部分を包丁で切っていく

ちなみに、途中ガクの付け根の、裏側にある一番外側の部分を包丁でこそぎ取っていきます。テクニカルの問題で食べられる部分もちょっと削ってしまいました😩

 

 

今回の調理法 

茹でとロースト

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ガクや花弁を剥かずに先端を包丁で切り落としただけ

ガクの根元は食べることができるとのことなので残してみたバージョン。

茹でる場合には色が変色するのを防ぐためにレモン汁を入れたお水で茹でるのが一般的なようです。(私は今回省略しました) 

 

フリット

揚げれば茎も食べられると聞いたので、外側の硬い部分をピーラーで削って揚げてみました。しかし剥いても剥いても繊維質な硬い筋が出てきたので、これは茎が食べられないものだったのかも。。。

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フリット用の詰め物

詰めものの中身は豚挽肉、エシャロット、セージ、乾燥ローズマリー、塩胡椒。

ハーブを入れると香り高くてすごく美味しくなりました。

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ハートの部分に肉をのせる

肉をのせた後は、卵白でふんわりメレンゲを作って纏わせます。そのまま170℃前後の油の中へ。

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揚げ物は音がいい!これは作っている人の特権😋



 ちなみに茎はやっぱり硬くて食べることができませんでした。。。ただ。真ん中は甘みがあって美味しかったので、茎をほとんど削る勢いでいけば食べられると思います。

 

それでは実食

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アーティチョークの3種の盛り合わせ

花びらを飾ってオシャレにディスプレイ。

手間がかかりますが、すごく美味しかったです。

個人的な美味しさランキングは👑フリット>>素揚げ>茹で>ロースト

アーティチョーク自体はホクホクとして甘みが強くなるので、お肉や油と相性がいいです。なのでオススメはフリット、面倒なら素揚げですかね。

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花弁がきれいなのでしばらく飾っておきました

ただ、アーティチョークって特殊な食材で、この野菜の後に食べた食材をなんでも甘く感じさせる不思議な効果があるんですね。

これを楽しむならダントツ茹でるのがおすすめ

揚げたりローストしたものよりもずっと強く効果を感じることができました。

アーティチョークの不思議

シナリンの効果

きっかけはアーティチョークを食べながらお茶を飲んでいるときに、やたらお茶が甘く感じたこと。

ネットで調べてみると、これは『シナリン』と呼ばれる化学物質のせいだとか。

舌の上にある味蕾の味覚レセプター(味を感じるみなもと)を阻害し、いろんなものを甘く感じさせるよう。

試しに牛乳を飲んでみたのですが、練乳を少し入れたように甘く感じて本当にびっくりしました。

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不思議効果のみなもと『シナリン』

コース料理を出すお店ではこの効果を利用して、デザートの直前にアーティチョークを出して甘みを引き立たせるとか。ただし本当に何にでも作用するので、ワインを合わせるには向かないとされているようです。

納得。。。


 

 

以上、不思議な野菜アーティチョークでした。

 

 

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